自ら発声し、歌ってしゃべるロボットとは? "シリコン製の喉と口を閉じたり開いたりすることで音を言葉に変える"研究を行っている香川大学工学部の澤田秀之教授。2011年12月6日、ニコニコ生放送の取材班がその研究室を訪れた。
現在コンピュータや留守電などで使用されている人工の音声は電気的な声の波形を作りスピーカーから出している。澤田教授の研究は、それをすべて「人間のように口を動かしてしゃべる」ようにやってみようというもの。研究に着手したのは十数年前で、紆余曲折を経て現在にいたるとのこと。
人間の皮膚に近い柔らかさのシリコンゴムで作られた喉と口には内部に舌があり、同時に固い鼻も備えている。基本的に人間の発声の仕組みと同じで、空気を送り出しその流量を調節、声帯にあたる振動体を振動させ、口の空洞にあたる部分と共鳴させて音を出す。鼻の弁を開閉させることで空気を出し入れし、鼻音も出すことも可能だ。また、学習機能があり、ロボットは人間が出す声と自分の出す声とを聴き比べ、人間の出す声と近くなるよう発話動作を修正する。
声はまだ十分に聞きとれるレベルではないものの、「うどん」や「ニコニコ動画」といった言葉をしゃべって、視聴者からは多くの笑いのコメントのほか、「わからねえ」「がんばれー」「かわいい」といった感想が多く寄せられていた。
まだ名前がないというこのロボット。番組で名前を募集したところ、その厚めの唇から「ひろゆき」というコメントが殺到。研究室の生徒たちもこれに賛同したが、教授は「さすがにマズいんじゃないんですか? (ニコニコ動画を運営する)ニワンゴの役員さんじゃないですか」と気を遣う発言。しかし、ニコニコ生放送の視聴者はそれ以降、すっかりこのロボットを「ひろゆき」と呼ぶようになった。


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